最初の説明


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2020年10月10日

EF62 52~54 もう一つの環風装置のこと

 52~54号に搭載された雪害対策用の環風装置は2種類ありました。ひとつは前述した主抵抗器環風装置、もうひとつは主電動機環風装置です。目的は主抵抗器環風装置と同じで、吸気により負圧になる機械室に雪を吸い込まないよう、主電動機を冷やした風の一部を環風させるというものです。(雪害の詳細はこちら)
この装置の搭載のため、52~54号には以下の変更が行われました。

①主電動機送風機に吸出し機能を追加(電動機の片側に押込み送風機、もう片側に吸出し送風機)
②主電動機送風機取付台の変更
③環風用の風道を追加
④車体台枠の変更
⑤歯車箱の変更(環風機能付き)

※夏場は風道を取り外し、排風は全て車外に放出

この装置についても、実際の効果やその後の経緯についての資料は見つけることはできませんでしたが、1976年(昭和51年)には3両とも歯車箱を量産型に戻す工事を受けているので、早々に廃止されてしまったようです。効果の割には量産車と違うということが保守面で良くなかったなどの問題があったのでしょうか?

文化むらの54号にその跡を見ることができます。
54号床下(2エンド側)
EF62 主電動機環風装置
船底みたいな形をしたものが環風用風道です。この上に電動送風機があります。

EF62 主電動機環風装置
第6動輪上の風道部分です。フタをしてボルトで止めた跡があります(矢印部分) たぶんここが開いていて、たわみ風道で歯車箱の環風口につながっていたものと思われます。

EF62 主電動機環風装置
第5動輪上の風道部分です。同じようにボルトでフタがしてあります。第6動輪の物に比べると小さいです。

EF62 主電動機環風装置
第4動輪上です。風道はここで終わっています。同じくフタがしてあります。

EF62 主電動機環風装置
第4動輪部分を角度を変えてみたものです。送風機から送り込まれた冷却風は奥の冷却風用風道から主電動機に押し込まれ、冷却後の一部は手前の環風用風道を通って機械室に帰っていったものと思われます。


EF62 主電動機環風装置
冷却風用風道は助手席側、環風用風道は運転席側
EF62は主電動機の向きが台車内で揃っていたので、この装置の設計は容易だったそうです。

EF62 主電動機環風装置
53号の2エンド側主電動機送風機です。手前が冷却風用(押込み)のFK34X-1型送風機、奥が環風用(吸出し)の送風機(型番不明)です。

52~54号に採用された2つの環風装置は、いずれも他のEF62に水平展開されることなく終わってしまいましたが、当時の現場と技術陣が一体になって雪と故障に立ち向かう意気込みが感じられる先鋭的なものだったと思います。


【出典・参考文献】
●「電気機関車1971年12月号」交友社


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