最初の説明


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2020年9月15日

EF62 52~54 ランボードの秘密と謎の装置!?のこと(終)

 さて、この装置がその後どうなってしまったのかを推測してみたいと思います。
52号から搭載された主抵抗器環風装置ですが、もし効果があってとても良いという評価になれば、他のEF62へも取付工事が行われたものと思います。しかし実際は行われず、装置の搭載はこの3両のみので終わってしまったようです。

理由として考えられることは
 ①効果が思ったほどなかった
 ②開けたり、閉めたりの扱いが面倒だった
 ③高温の排風を機械室に戻すことで、機械室内の温度が想定外に上がり別の問題になった
 ④雨漏りがする
あくまでも推測ですが、①②あたりでしょうか。

そして、この立派な装置は取り外されてしまったものと考えています。(そもそも、53号と54号は新製時の画像が見つからず、最初からこれが搭載されていたか確認できていません)
そうだとすると、あの爪のような突起物はその残骸と考えることもできます。(そう考えると53号、54号とも積まれていた!?)
推測ばかりになってしまっていますが、幸い文化むらに54号があるので調べてみました。

文化むらの54号について問題の部分を見てみます。
EF62 54

まず、L字型の爪のような突起物がありません。この件については後ほど考えてみたいと思います。
EF62 54

角度を変えた画像です。ランボードと思っていた部分ですが、良く見ると丁番(蝶番)のような物が見えます。スリットは爪があったところでしょうか?(爪の数とスリットの数は合っています)。丁番があるということは… これ開くのでは??

機械室側から見てみます。
EF62 54

機械室扉のガラス越しに懐中電灯を当てて撮影したものです。見えずらいですが、丁番のある部分(矢印)の下は天井に穴が開いて貫通しているように見えます。


~ 2024年2月6日追記 ~
2023年9月30日 碓氷峠鉄道文化むらの「碓氷新線開通60周年 聖地で味わう特別な1日」というイベントでEF62 54の機械室が公開されました。その時に貫通を確認しました。


と言うことは、もしかしてこのランボードのようなものは丁番部分で下図の様に開くのでは?
<車体断面図>
EF62 54
もし正解であれば下図のように環風を行うための仕組みでしょうか?
EF62 54

正しければこれも環風装置と考えることができます。ただ52号で見た立派な装置とはだいぶ違います。これは立派な装置を簡易化したものでしょうか?末期の3両はいずれも立派な装置は見当たらず、同じような突起物のある形状になっていたことを考えると、次のようなストーリーが考えられそうです。

①3両とも新製時から52号で見た立派な装置が搭載されてたとしたら、後に何らかの理由で立派な装置は取り外され、この簡易タイプに改造された。
②53、54号の2両は最初からこの簡易タイプで新製され、52号は後にこれに合わせる改造を受けた。

廃止されたものと思っていた主抵抗器環風装置は、理由はわかりませんが立派な装置から構造を簡易化され、生き残っていたというように考えることもできます。(実際に使っていた期間は不明)
その場合、一段低いランボードと思っていた部分は、主抵抗器環風装置のフタだったということになります。あのL字型の爪のような突起物ですが、立派な装置の残骸ではなくこんな役割だったとか
EF62 54
フタのストッパー?
この爪のような突起物ですが、篠ノ井時代は最後までありました。53,54号については田端へ転属後もしばらくはあったようです。ネットや書籍で公開されていた画像で確認いたしましたが、幸い転属後の53号の画像を譲っていただくことができましたので掲載いたします
EF62 53

1989年4月頃に撮影されたもので、屋根上に列車無線のアンテナが積まれ、1エンド側のパンタグラフのホーンは赤色、2エンド側は緑色のレアな装いです。C’タイプ無線アンテナが付く前の貴重な画像です。撮影者様ありがとうございました。
EF62 53

拡大すると爪のような突起物が確認できます。その後取り付けられたC'タイプ無線のアンテナが付いた後の画像には見られませんでした。とすればC'タイプ無線アンテナ搭載工事の際に撤去されたのではないかと考えています。撤去された理由は使用していないうえ、飛び出ていて点検や検査時に危険というものではないでしょうか。

まとめ
結局のところ推測ばかりで、本当のところはわりませんでした。それはこの装置の効果や実際に何時頃まで使われていたのかについても同じです。最終的にたどり着いた簡易的な構造だとしたら、フタを閉め忘れて雨が降ってきた場合、機械室内がびしょびしょになってしまいます。EF62最後の3両に搭載された主抵抗器環風装置は、雪害対策の切り札として現場の大きな期待を背負って開発されたものでしたが、あまり日の目を見ることなく、ひっそりと幕を閉じた印象を受けました。文化むらの54号をご覧になった際には、この部分にも注目していただけたらと思います。またこの装置の詳細、経緯についてご存じの方がいらっしゃいましたら、情報をお寄せだけましたら幸いです。
よろしくお願いいたします

おわり


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