★主抵抗器用送風機(MRBl)
EF62のブロワーと言えばこれですが、主抵抗器の冷却のためのブロワーです。制御箱の主抵抗器送風機のスイッチをONにしておけば、後は逆転器、ノッチの位置により自動で回転し、自動で停止します。走行中はずっと回転しているような感じがしますが、回転は「主抵抗器使用時+クールダウン時」ですので、走行中でも主抵抗器を使っていないときは停止します。なお、この送風機を回さないと主抵抗器は発熱で溶断してしまうので、送風機のスイッチがONになっていないと力行、発電ブレーキともに回路が構成されないようになっていました。(ONにしないと自走できない)
■回り始めのタイミング
(1)力行、発電においてノッチを引いた時
(2)パンタグラフが上がった状態で主抵抗器送風機スイッチをONした時、もしくは主抵抗器送風機スイッチがON時に パンタグラフを上げた時
(2)は回路の構成上回ってしまうらしいのですが、篠ノ井機関区で良く見たパン上げシーンでは、上がっていきなり回ることは無かったような覚えがあります。これはパンタグラフをスイッチ代わりにするのはよろしくないとの配慮からのようで、パン上げの際にはスイッチを切る手順になっていたものと思われます。機関士さんによってはMGやコンプレッサーもOFFにして上げる方もいらしたそうです。
■停止のタイミング
(1)力行において、主抵抗器を抜けた時(SPの最終18ノッチとPの最終24ノッチ)
(2)ノッチオフの時
実際にはこの条件になった時からクールダウン時間を経て停止します。クールダウン時間はタイマーで最大180秒(3分)まで設定出来たそうですが、篠ノ井車は180秒、高崎車は90秒に設定されていたようです。ただ、時代、時期で変えていたという話も聞きました。
こうやって改めて書いてみると、なんだか難しい感じになってしまいましたが、DCCでプログラミングするのでしたら、発車でサウンドON、定速もしくは惰行になったらOFFするようにしておいたら実感的になると思います。
ただ、例外がひとつあります。それは横川の下り列車発車時で、まずEF63が動き出した後、EF63から指示でEF62は力行ノッチを引きますので、動き始めてからブロワーが回ることになります。これは、発車時に前後同時力行でのぎくしゃくを防止する配慮からだそうですが、EF62の発車シーンを見慣れた者にとっては違和感ありの発車でした。この様子は動画投稿サイトやジェイアール東日本企画が制作した碓氷峠ビデオなどで見ることが出来ます。この例外があるので、碓氷峠を再現される方は自動化せず、ファンクションに登録しておくのが良いかもしれません。
「EF62のブロワーのこと(終)」へつづく
【参考文献】
●高崎鉄道管理局・長野鉄道学園「EF62形電気機関車説明書」
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