勾配機の特徴的なブロワーですが、どのタイミングで回るのでしょうか?最近の鉄道模型はDCCを組み込んで音を出すことが出来ますが、その場合とても気になるところです。
★主電動機用送風機(MMBl)
主電動機用送風機は、運転室後方の制御箱にあるスイッチを手動ONで回転、手動OFFで停止です。走行中はONで停車中はOFFにしていました。よく発車間際に機関士の方が席を立って、右後ろの方に手を伸ばしているのはONにするためです。ONにするとヒューンという音がしました。
EF62 54 1エンド側制御箱のスイッチ群 矢印が主電動機送風機のスイッチ 【撮影場所】碓氷峠鉄道文化むら |
主電動機送風機、主抵抗器送風機のスイッチは良く取扱うので黄色のガバーが付けてあります。
EF62 53 2エンド側制御箱スイッチ群 矢印が主電動機送風機のスイッチ 【撮影場所】篠ノ井機関区 |
主電動機送風機は主電送機の冷却の他、電動機内部で発生するガスの排出も目的だったようです。ブラシなどから発生するガスが溜まるとフラッシュオーバーを誘発するとか…。
それにしてもこのスイッチですが、発車、停車のたびに取扱うのに、機関士席から遠い、どちらかといえば助手席側にあります。どうやら設計の段階では入定位で考えられていたようで、EF62形電気機関車説明書では発行年度は違っても記述は入定位となっていました。停車のたびにOFFにするのは騒音防止のためで、送風機が運転室のすぐ後ろにあるので、室内もかなりうるさかったようです。国鉄時代の信越線貨物は途中駅で2時間、3時間の停車はざらだったのでOFFにしたくなりますよね。
さて、ここで疑問が湧いてきます。重連時の補機の送風機はどうしていたのでしょうか?わざわざ降りて後ろもOFFしに行ったのでしょうか?発車時はその逆??う~ん、わかりません。
ちなみにEF63はさすが重連運用が基本なので、画像のようなスイッチが付いていました。
速度計の下の左側スイッチ「他車~」で補機の送風機がON、OFF出来る優れもの。もともとは違う機能のスイッチでしたが改造したようです。
主電動機用送風機ですが、電動機(MH91A)は定格が1500Vのため、起動は2段起動でした。(直列→並列 ※直列、並列とも最初だけ起動抵抗入り)
なお、主電動機送風機はOFFのままでも走行出来ます。
「EF62のブロワーのこと その7」へつづく
【参考文献】
●高崎鉄道管理局・長野鉄道学園「EF62形電気機関車説明書」
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