★主抵抗器用電動送風機(MRBl)
EF62と言えば、このブロワーを思い出される方も多いのではないでしょうか。発車の際にフォーンという大音量で唸るブロワーです。大きな音を響かせながら、ゆっくりゆっくり加速する姿はとても頼もしく、目の前を通過し姿が見えなくなってもしばらくは聞こえているほど大きな音でした。
EF62では主抵抗器用電動送風機としてMH108A-FK61Aが4台搭載されていました。MH108Aは電動機の形式、FK61Aは送風機の形式です。
【諸元】
MH108A電動機
方式 直流直巻補極付
主極数 4
形式 自己通風、たて形
連続定格
出力 4.5KW
電圧 375V
電流 16A
回転数 1750rpm
FK61A送風機
形式 軸流形(10枚羽根)
有効静圧風 45Ag
風量 250立方メートル/min
公開されている1エンド側運転席のすぐ後ろにある機械室扉の窓を覗くと見えます。画像は懐中電灯で照らしながら窓ガラス越しに撮ったものですが、電動送風機はほとんど見えていません。
電動送風機は主抵抗器の下部に置かれ、下から上へ風を送り冷却しています。床の上に直置きに近い状態だったので、冬季は機械室に入り込んだ雪が溶けて電動機に侵入し、絶縁破壊を起こすトラブルが多かったそうです。排風口からは相当な勢いで熱風が排出され、駅で発車の際にはちょうど乗車口案内板に当たり、落ちるのではないかと思うほどバタバタと揺れていたのを覚えています。
「EF62のブロワーのこと(その5)」へつづく
【参考文献】
●高崎鉄道管理局「EF62形電気機関車説明書 (附)車警ツナギ、EF60形との相違点」1981年
●電気車研究会編「電気車の科学 Vol.16 No.11 1963-11」「電気車の科学 Vol.16 No.12 1963-12」電気車研究会 1963年
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