「EF62 吹付式増粘着装置」のところでエミーさんより情報をいただきました「プラズマトーチによる増粘着の研究」について調べてみました。この研究は1970年頃に行われていたらしく、鉄道技術研究資料29(12)1972年12月、鉄道技術研究報告(817)1972年8月に掲載がありました。素人の私には難解な部分ばかりですが要約してみますとおおよそ下記の様です。
●研究の背景
基礎粘着改善法として一般的に用いられているものに散砂法があるが、使用法を間違えるとかえって粘着を悪化させてしまう。また地上設備や車両側に大きな損害を与えることもあり、これに代わるものとして研究を行っている
基礎粘着改善法として一般的に用いられているものに散砂法があるが、使用法を間違えるとかえって粘着を悪化させてしまう。また地上設備や車両側に大きな損害を与えることもあり、これに代わるものとして研究を行っている
●研究の概要
車両先端部に取り付けられたプラズマトーチからレール表面にプラズマ状の高温気体(窒素ガス)を吹き付けプラズマ処理を行い粘着力を改善する。
車両先端部に取り付けられたプラズマトーチからレール表面にプラズマ状の高温気体(窒素ガス)を吹き付けプラズマ処理を行い粘着力を改善する。
プラズマ処理について調べたところ材料、素材分野でのプラズマ処理と言ったらプラズマビームを物質表面に当てることで励起状態にさせ、密着度を上げることだそうです。またこの時表面にある汚損物質の除去も合わせて出来るとか…
この報告書には励起状態の効果があるのかについてはプラズマトーチとレールの間の距離がある程度あることから疑わしいとありました。考察では単純に油脂などの汚損物質が除去されて粘着係数があがっていると思われると記載されています。今後については研究所構内の試験線(時速20km/h程度まで)では良好な結果を得たので本線で試験を行うと結んでいます。
この報告書には励起状態の効果があるのかについてはプラズマトーチとレールの間の距離がある程度あることから疑わしいとありました。考察では単純に油脂などの汚損物質が除去されて粘着係数があがっていると思われると記載されています。今後については研究所構内の試験線(時速20km/h程度まで)では良好な結果を得たので本線で試験を行うと結んでいます。
しかし装置が大変そうです。高電圧の電源関係装置、高周波発生装置、窒素ガスボンベなどの多数の装置類が必要で試験ではED30にプラズマトーチを搭載、後続の数両の貨車に装置を分散させて積載していました。また、プラズマトーチの電極が高温になることから水冷式とし冷却水を循環させる冷却回路とその装置も必要、更にプラズマトーチの作動騒音が大きい問題、電極の消耗も結構激しく管理が大変そうなど、素人目に見ても実用化は難しそうです。
その後、実車に採用されたという話は聞かないのでやはり研究のみで終わってしまったのでしょうか??
その後、実車に採用されたという話は聞かないのでやはり研究のみで終わってしまったのでしょうか??
【出典・参考文献】
●鉄道技術研究資料29(12)1972年12月
●鉄道技術研究報告(817)1972年8月
●鉄道技術研究報告(817)1972年8月


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